抄録
建物解体時における工程は、大きく重機による粗選別と作業員による手選別に分けられる。手選別では主に、コンクリート塊の中からコンクリート塊以外の廃棄物(以下不純物)を抽出している。しかし、建設系廃棄物の多くを占めるコンクリート塊の中から全ての不純物を取り除くことは困難である。そこで、手選別の前にふるい選別機であるロールスクリーンを傾斜に設置し、コンクリート塊と不純物を選別することで手選別の効率化を図った。実験結果よりロールスクリーンを組み込むことでコンクリート塊に混入する不純物は、排出される不純物総量の約10%以下に減少し、手選別では70%以上のコンクリート塊が取り除かれ、再資源化が難しい建設系廃棄物の選別精度の向上が期待できることが分かった。またリンクチェーンを加えることで不純物の抽出率が向上することも確認できた。今後は、リンクチェーンの改良や風力選別などを加えることでさらなる選別精度向上を目指す。