抄録
廃石膏ボードは産業廃棄物として,管理型最終処分場に埋め立て処分されているが,最終処分場の残余容量も厳しい状況にあることが知られている。本研究では,廃石膏ボードのリサイクル用途の拡大を目的として,廃石膏ボード粉砕処理物に熱処理を加え生成した再生無水石膏を,塗料の体質顔料として用いて塗料試料を作成し,その断熱効果等を検討することにより,塗料フィラーとしての利用可能性の検討を行うこととした。本研究で得られた成果は,対照実験の結果から,塗料を塗布していないPCシートのみの場合は,温度差としては4.73℃が得られた。一方,塗料を塗布したシートの場合の温度差は7.24℃という結果となり,塗料の塗布による明らかな断熱効果が確認された。 また,再生無水石膏をフィラー材として用いた実験の結果から,温度差として平均温度差6.4℃となり,無添加の温度差6.3℃との大きな相違は認められなかった。