抄録
溶融塩電解法を用いて希土類磁石であるネオジム磁石からの希土類元素の選択的浸出処理について検討を行った。LiCl-KClの共晶組成の溶融塩中(450℃)でネオジム磁石をアノードとして電解を行うことで、アノード分極曲線を測定した。アノード分極曲線から希土類元素のみを選択的に浸出する電位領域を明らかにした。その電位領域内である-1.0V(0.1mol%AgCl sat. LiCl-KCl)で定電位電解を行ったところ、電解後の磁石中の希土類元素の濃度が減少し、FeやBの濃度が増加した。対極として用いた炭素棒の表面の析出物の組成は99%以上が希土類元素であった。