抄録
バイオマス系廃棄物は、農業や林業、漁業、製造業、商業、家庭といった多数のセクターから排出され、食物やサプリメント、飼料、肥料、工業原料、燃料などの多様な需要がある。よって、供給と需要を結ぶバイオマス系廃棄物フローは極めて複雑となる。このような地域に再生利用のために導入される技術の有効性を判断するためには、地域の物質循環や地域環境、地球環境への技術の効果を評価する総合的なフレームワークが必要となる。そのため、物量データの積み上げにより、地域における複雑なバイオマス系廃棄物フローを記述する「物量投入産出表(Physical Input-Output Table, PIOT)」の構築を進めている。本報告では、バイオマス系廃棄物フローを表すPIOTの構造と高知県における廃棄物処理・再生利用部門を中心とした湿重量ベースのPIOTを示す。