抄録
資源循環型社会の構築に向け、ごみの物理組成の変化に伴い焼却灰中の金属の構成比率が変化し、溶出挙動が変化する可能性がある。このための基礎的な調査として、ごみの物理組成の異なる焼却施設から焼却灰(ばいじん(FA)および燃えがら(BA))を採取し、金属含有量を測定した。調査の結果、FA中の金属量は物理組成が異なっていても10倍程度のバラツキの範囲内に収まるが、BA中の金属量は物理組成に関わりなく大きく変化していた。さらに、これらの金属濃度を変数としてクラスター分析により類似度を計算した。その結果、同一の施設でも異なるクラスターに分類されることがあることから、金属の構成は物理組成の影響を受けないことが示唆された。