抄録
本研究は、前段をエタノール発酵および後段をメタン発酵とした連続処理システムの構築を図るものである。 今回は,一般家庭から廃棄される生ゴミを想定した模擬生ゴミを試料とし,一般的に行われている糖化工程を省略したエタノール発酵のバッチ実験を行い,エタノール生成特性を検討した。さらに,エタノール発酵試料の蒸留残渣を利用し,バッチ実験によりメタン発酵によるメタン生成の特性について検討した。 その結果,エタノール発酵特性において, S.cerevisiaeの導入により,糖化工程を省略した模擬生ゴミからのエタノール生成が行えたといえる。また,メタン発酵において,蒸留残渣からガス発生がみられたことから,エタノール発酵後の蒸留残渣からのエネルギー化が行える特性を示した。以上のことから,糖化工程を省略したエタノールおよびメタン発酵の連続プロセスによるエネルギー化の可能性と廃棄物の減量効果を見出した。