抄録
心理測定法と経済評価法の併用による,分別作業の煩わしさの定量的評価法の開発に向け,対象の異なる2種類のアンケート調査によって得られた結果をもとに,新しい評価法の特性を仮想評価法の評価結果との比較検討によって明らかにした.その結果,仮想評価法では回答者によって評価結果が大きく異なるのに対し,新評価法ではそれほど大きな違いはなかった.また,新評価法は,煩わしさを感じるものはより高く,そうでないものはより低く損失金額を見積もる傾向がある.得られた損失金額,支払意志額は,例えば「スーパーに持って行って捨てる」では340円と3円と大きな差がある.参照作業群の選定なども含め,今後の検討課題とする.