抄録
赤潮やアオコを安価かつ環境に優しい方法で死滅処理する技術の開発の一環として、プロパン・酸素収束爆轟駆動型の超高圧水中衝撃波発生装置を用いて、湖沼に生息するクロレラなどの微細藻類の衝撃処理試験を実施すると共に、走査型電子顕微鏡等を用いて衝撃処理前後での個体のミクロ観察を実施し、その死滅機構を調べた結果、以下のことが分かった。(1)今回の実験の範囲内では、クロレラを含む微細藻類に対して、最高圧力が約100MPaから成る水中衝撃波の5回処理により、約80%の死滅率を得た。この値は、鞭毛を備えたヘテロシグマ及びユーグレナに同等の処理をした場合の死滅率(100%)より低い値となっている。 (2)クロレラの衝撃処理前後の電子顕微鏡によるミクロ観察の結果、水中衝撃波により外皮の一部に亀裂が発生し、死滅に至ったことがわかった。