抄録
筆者らが取り組むエコスイーツ活動は、生ごみ資源化活動であり、スイーツを最終商品として循環させるソーシャルビジネスと認識される。活動の急速な拡大および多様な社会的ミッション達成を特徴としている。こうした特徴は、ソーシャル・キャピタルの視点から合理的に説明できる。 ソーシャル・キャピタルとは、社会的効率性を高め得る、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴であると定義され、主として結合型と橋渡し型の2タイプで論じられる。相対的に優れたタイプとされる橋渡し型では、ファシリテーターの存在があり、多様な人および組織を緩やかに結びつけ、公共の利益を追求しているとされる。エコスイーツ活動は橋渡し型ソーシャル・キャピタルを活用している。この場合、ファシリテーターを利害に中立な大学が担っていることから、さらに効率的に成果を創出できているものと考えられる。