ごみ発電のバイオマス割合や廃棄物焼却由来の温室効果ガス算定に、炭素同位体比を用いる
14C法が注目されている。
14C法を適用するには、大気核実験による木材への
14C濃度の一時的上昇を補正するため、測定対象とするバイオマスの組成にあわせて地域ごとにバイオマスの
14C/
12C比率を設定する必要がある。本研究では、筆者らがこれまでに推定した建築廃木材および紙ごみに加え、廃家具や厨芥類についても
14C/
12C比率を設定し、それらのごみ組成比率ならびに炭素含有率を勘案して、都市ごみ中バイオマス全体の
14C/
12C比率を推定した。ごみ組成比率の不確実性にディリクレ分布を、組成別炭素含有率に正規分布を、組成別
14C/
12C比率にベータ分布を仮定したモンテカルロシミュレーションの結果、
14C/
12Cは1950年を基準として105.8%±1.4%と推定され、既往研究(スイス111.3%)より低かった。
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