廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第24回廃棄物資源循環学会研究発表会
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A1  ごみ発生・排出抑制 1
  • 山本 大輔, 山川 肇
    セッションID: A1-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    循環型社会の形成のため3R行動が必要とされており,特にリデュース・リユース(2R)は,優先順位が高いとされているにもかかわらず,普及が遅れている。2R行動を促すためには,市民にとって身近な存在である自治体が有効な施策を実施することが重要であり,自治体の2R促進施策の実施状況を把握し,有効な施策を解明することは重要な課題である。本研究では,自治体が実施する2R促進施策を一定の基準により抽出・分類することで,2R促進施策を共通の基準で把握する方法について検討した。分類基準として,施策の目的・ごみ種・施策の対象・政策手法の4タイプを設けて,施策の調査を行った。自治体の2R施策全体の傾向として,2Rが主目的(特にREDUCE)の施策が多いこと,ごみ種は対象をはっきりと指定しない施策がほとんどであること,市民を対象とした施策が中心であること,普及・啓発施策が大多数を占めていることを明らかにした。
  • 岡田 真衣, 山川 肇
    セッションID: A1-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    現在、循環型社会の形成が求められる中で、3Rの考え方の中でも特に2Rの促進が重要となっている。しかし、現段階では2R行動の促進について効果的な取り組みついての研究はあまり見られない。これまでの研究から、対象行動の意識や行動の違いによって異なるアプローチの検討可能性が示唆されているが、その詳しい手法については検討されていない。そこで本研究では、保健分野で使われるトランス・セオレティカル・モデルという理論モデルの行動ステージの考え方と交通政策として用いられるモビリティ・マネジメントの手法のひとつである行動プラン法を2R行動促進の取り組みとして、その適用可能性を検討する。予備調査として質問紙による調査を行い、2R行動促進に適用させたステージ判定の尺度をTTMをもとにして検討を行った。
  • 齋藤 友宣, 山川 肇
    セッションID: A1-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    ある人が環境配慮行動をとるか,否かは,その人に環境配慮行動をとる動機があるかどうかにかかっている。動機がない人は,もちろん,環境配慮行動をとらない。「環境問題に興味・関心がない人」に対して,動機を持ってもらい,行動につなげてもらうためのアプローチの必要性が指摘されてきたが,その具体的な手法についての検討は多くはない。
    動機がない人にどのように動機を持たせるかについて,Prochaskaらは,喫煙などの健康上の問題行動をとらないよう,患者にどのように働き掛けを行うかについて検討し,TTM(Transtheoretical model)を構築した。
    このTTMのフレームワークをごみ減量行動の推進に適用できないかと考えた。
    本稿は,TTMの「行動変容のためのステージ区分」「変容プロセス」のアプローチがごみ減量行動を促すうえでも有効であるかどうか,その適用可能性について検討を試みたものである。
  • 中村 裕子, 八木 美雄
    セッションID: A1-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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     わが国では、年間約1,800万トンの食品廃棄物が排出されており、可食部分と考えられる量は500万トンとも800万トンともいわれている。その中には食べ残しだけでなく、安全性や品質に問題はないのに、商品として流通できない食品(以下「流通困難食品」という。)が多く含まれている。これら流通困難食品を食品関連企業等から寄付してもらい、福祉施設や生活困窮者に配布するフードバンク活動がある。流通困難食品を有効に活用しているフードバンクと自治体が連携することで、生活困窮者等に食糧の提供や自立への支援を円滑に行うことができ、食品廃棄物発生抑制拡大を図ることが期待できる。両者の連携の可能性や問題点についてフードバンクや自治体の福祉関連部署の職員にヒヤリングを行い、ヒヤリングで得られた知見を述べるものである。
  • 西山 佳宏, 遠藤 晃冬, 山川 肇
    セッションID: A1-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    広告を送る側と受ける側の両方からの視点に着目し、両者からのインタビュー調査を基に、電子化による発生抑制効果の要因、今後の普及課題を明らかにすることを目的として調査を行った。
    本研究での結論は以下の通りである。
    1. web明細書サービスでは、サービス利用者の増加=紙利用者の減少となっており、発生抑制効果が得られているものと考えた。
    2. 明細書の電子版の付加価値を高めること、電子版への移行手続きの簡略化または初期設定を電子版とすることなどが、普及促進に効果的だと考えられた。
    3. フリーペーパーの電子化は、発行者の事情から直ちに紙版の発行部数削減に繋がらず、本研究の事例では発生抑制効果は得られなかった。
    4. フリーパペーパーの発行部数を減らすには、①電子版の広告力の指標の確立を含む収益性の確立、②多数の読者の電子版への移行が必要と考えられたが実現には長期的な取り組みが必要である。
  • 藤倉 まなみ, 井上 芽伊, 福岡 雅子
    セッションID: A1-6Poster1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    飲み残した飲料が入ったまま、ごみ箱に廃棄されるペットボトルの実態を調査した。飲み残しには、意図的なものと、本人は飲みきったつもりで廃棄されるものがあり、10g以上のものは前者と考えられた。廃棄されたペットボトルの総本数の23%に何らかの飲み残しがあり、8%は50g以上飲み残しのあるものであった。飲料の種別でみると、果実飲料はミネラルウォーター類、茶系飲料に比べ、意図的な飲み残しの割合が高かった。飲み残しがある場合の平均飲み残し量は55.9g/本であり、ごみ箱に廃棄されたペットボトルの総本数からみた飲み残しの発生源単位は12.8g/本であった。これは、ペットボトル空容器重量の47%に相当する。
      学内で飲み残し経験のある学生は27%で、飲料購入時に飲みきれるかどうかを考えたことがない学生は飲み残し経験率が高かった。飲み残しの理由(複数回答)は、「お腹がいっぱいになってしまったから」が56%、「荷物になるから」が41%と多かった。
  • 藤原 健史, 藤川 大貴
    セッションID: A1-7Poster2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    近年、多くの自治体ではごみ排出量の減少傾向が見られ、その原因には人口減少や景気低迷といった社会経済要因と、ごみ減量化やリサイクル促進などの3R効果があるといわれている。しかし、その2つの原因を切り分けてごみ量が減少の理由を説明することは難しい。自治体では長期的なごみ排出量予測をもとに施設計画を立てることが求められる。そこで、岡山市を対象として消費と廃棄を明らかにするためのごみ組成分析を行い、景気の変化やリサイクル促進のシナリオに対してごみ排出量の将来予測が行えるモデルを構築した。
A2  ごみ発生・排出抑制 2
  • 寺園 淳, 小口 正弘, 中島 謙一, 吉田 綾
    セッションID: A2-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    事業所での電気電子機器の保有および排出の実態を把握し、より適切なリサイクルシステムの構築を行うための基礎情報を得ることを目的として、アンケート調査を実施した。保有状況を見ると、OA機器ではパソコン、パソコン用ディスプレイ(液晶式)、コピー機(複写機)・複合機が90%程度と高いことに加えて、無停電電源装置(UPS)も保有している事業所が46%に上っている。排出先では、コピー機、ファクシミリはリース会社が多く、リース分はリース会社に引き渡されている傾向が見える。その他では全体的に産業廃棄物収集・処理業者の割合が高い傾向にある。また、不用品回収業者という回答も多くの品目で5%前後存在する。乾電池と小型二次電池は自治体も3割程度あった。電池類の分別や自主回収制度は十分周知されていないことが伺えた。
  • 松藤 敏彦, 松尾 孝之, 八木 美雄, 藤波 博, 佐野 敦彦, 七田 佳代子, 麻生 理子
    セッションID: A2-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    北海道旭川市において,家庭系有害廃棄物の回収実験を行った。対象物は園芸用農薬類,塗料類,洗剤類,であり,ごみ拾いイベントと併せて市役所に設置したイベント回収を9月30日に実施し,その後リサイクルプラザなど2か所の拠点回収を10月1日から5カ月継続した。回収件数は950件,回収重量は7900kgとなり,予想をはるかに超える廃製品が回収された。禁止農薬,塩酸・硫酸などの薬品の排出もあり,容器移し替えなどによる内容不明物は多数見られた。
  • 渡辺 浩平, 山本 謙一
    セッションID: A2-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua. Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat. Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur. Excepteur sint occaecat cupidatat non proident, sunt in culpa qui officia deserunt mollit anim id est laborum.
  • 岡野 多門, 森田 晃
    セッションID: A2-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    難分解性の人工素材ごみの漂着が深刻であり,実効性のある海洋浮遊ごみの流出防止対策の創案には各地から流れ着くごみ種と量を知ることが必要である。本報では2つの区画を同時に調査し,両区画のごみ量の割合の差の絶対値を過剰率と定義し,その値から信頼性を評価した。難分解性のごみの重量の大半を,数の少ない中大型のごみが占め,それから膨大な数の微小ごみが発生する。したがって中大型ごみの漂着量の調査が重要で,その測定には複数の調査地の長い汀線距離で撤去を伴う繰り返しの調査が必要である。中型製品ごみの汀線250m区間への漂着数の月次調査では比較では6調査地の合計での月間漂着数,および大型フロートやロープでは6調査地での年間値で過剰率が小さくなった。したがって汀線500m区間での月次調査を数ヵ所の海岸で行うことで,広域の海岸への漂着量の指標となる測定値を得ることが出来ると推定できる。
  • 瀬口 亮子, 山川 肇
    セッションID: A2-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    韓国の「資源の節約とリサイクルの促進に関する法律」は、一回用品(いわゆる使い捨て品)の使用を抑制する制度を規定している。本制度により、韓国では、飲食店やホテル等において、他国に見られない発生抑制の取り組みが実施されている。我が国においては、大手スーパーのレジ袋削減等は、自主的取り組みにより一定程度進展はあるものの、拘束力を持った発生抑制の施策は未整備である。本稿は、韓国の一回用品使用規制の制度と実施状況から、我が国における発生抑制のしくみづくりの可能性を提案する。
  • 山本 耕平, 古我知 浩, 橋本 慎吾, 谷口 涼, 串間 武志
    セッションID: A2-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    ベトナム国ホイアン市において家庭ごみの組成調査とごみ家計簿による家庭でのごみの発生と処理実態の調査を行った。その結果以下のことがわかった。①ホイアン市が収集・処理しているごみの3分の2は有機系のごみで、その半分は草木類である。草木類は自家処理から市のごみ処理に出される量が増えている。 ②9割の家庭が生ごみを飼料化ルートに出しており、調査対象世帯の生ごみ発生量の65%にもなっている。 ③リサイクル可能なものはほとんどごみに出ない。非分解性のごみとして、プラスチックの袋や包装材など軟質プラスチックの量が多く、堆肥化処理のネックになっている。これらの減量と分別が課題である。 ④ホイアン市のごみ減量のターゲットは、草木類と軟質プラである。草木類の自家処理と軟質プラを含む非分解性ごみの分別がキーになる。
  • 河井 紘輔, 大迫 政浩, 山田 正人
    セッションID: A2-7Poster1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    ベトナム国ハノイ市においてモデル地域を対象に有機系廃棄物と無機系廃棄物(有機系廃棄物以外を指す)の分別収集が継続されている。本研究では,モデル地域における240世帯を対象としたアンケート調査及び廃棄物組成調査によって分別行動の規定因を明らかにすることを目的とした。アンケート調査の結果,小規模ビジネスを営む家庭の方が一般家庭に比べて分別行動の実施率が低いことがわかった。またコミュニティ・リーダーの分別行動がコミュニティ内家庭の分別行動に影響を与えていると思われ,コミュニティ・リーダーが模範となることで周辺家庭の分別が促されるという構造が示唆された。有機系廃棄物として分別排出された廃棄物の組成を調査した結果,重量比で96.7%が正しく分別排出されていた。この結果から,ひとたび家庭が有機系廃棄物を分別した場合,比較的分別ルールは遵守され,分別された有機系廃棄物の純度は高いと言える。
A3  ごみフロー・物質フロー 1
  • 谷川 昇, 大久保 伸, 馬場 寿
    セッションID: A3-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    産業廃棄物中間処理施設において、搬入廃棄物に添付されたマニフェストの記載情報と現物についての確認を行ったところ、次の結果が得られた。1) 紙マニフェストへの複数の産業廃棄物の種類記載が10%程度存在していた。また、マニフェストへの数量記載は、産業廃棄物の種類によって違いはみられるものの、全体では重量が約60%と多かった。2) 搬入産業廃棄物にマニフェストに未記載の産業廃棄物が含まれている事例が、一定割合で存在する。3) トラックスケール保有施設での測定重量を、マニフェストの記載数量として確定する割合は約80%と推定された。4) 環境省通知による重量換算係数は、約50%の中間処理施設であまり信頼できないと認識されていたこと、搬入産業廃棄物の見かけ比重測定値と大きく異なる場合が見られたことから、マニフェスト記載情報の信頼性を高める観点からも、重量換算係数の早急な見直しの検討が必要と考えられた。
  • 佐伯 孝, 谷川 昇
    セッションID: A3-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    産業廃棄物管理票(マニフェスト)情報の有効利用可能性の検討を目的として、平成22年度に静岡県内で交付されたマニフェストの実績報告である産業廃棄物管理票交付等状況報告書の情報を基に、廃棄物の排出、移動、処理実態の解析を行った。その結果、マニフェスト記載情報の利用により、現在自治体が実績報告書等から作成している産業廃棄物実態調査よりも詳細な産業廃棄物量の発生・処理処分量の解析が可能であることが分かった。さらに、マニフェスト記載情報の利用により、長距離移動している産業廃棄物の詳細な種類や移動先での処理方法などを把握可能であることも分かった。しかし、各自治体がこのようなマニフェスト情報を基にした詳細な産業廃棄物の解析を行うためには、紙データで提出されるマニフェスト情報の電子化と電子マニフェストの普及が必要である。
  • 佐藤 明史, 三木 理
    セッションID: A3-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    多種多様なエコタウン事業を理解するためには、エコタウン事業をその特徴からいくつかのタイプに分類して理解することが有効である。そこでエコタウン事業の分類を行うため、エコタウン事業の立地する地域の特性としての人口、面積、人口密度、一般廃棄物量、製造品出荷額等、産業廃棄物量を取り上げ、立地地域の特徴を明らかにした。次に、エコタウン事業自身の特徴を明らかにするために、総事業数、補助金額、PET、家電、自動車、動脈静脈連携事業の主要事業について分析し、地域特性との関係を求めた。その結果、エコタウン事業をコミュニティ廃棄物処理・リサイクル型(小都市)(Ⅰ)、都市廃棄物処理・リサイクル型(大都市)(Ⅱ)、工業団地静脈ビジネス形成型(中都市)(Ⅲ)、動脈静脈連携型(重工業都市)(Ⅳ)の4つに分類した。これらの分類は、エコタウン事業の経験、知見を活用した海外への静脈技術移転に適用できると考える。
  • 桑原 健嘉, 若林 英佑, 中嶋 崇史, 小野田 弘士, 永田 勝也
    セッションID: A3-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    レアメタル等の資源確保が求められるなか,使用済み小型家電のリサイクル法が施行され,その回収から処理までを含めた資源回収システムの構築が検討されているが,その設計方法に関しては十分な検討がされているとはいえない. 本報では,埼玉県で実施した使用済み小型家電等の破砕選別実験を通じて,破砕処理施設への投入物と回収物の関係性を導き出し,筆者らがこれまでに各種小型家電を手解体することで構築してきた「DfE定量評価データベース」に蓄積された製品の素材構成から回収物の重量を推計する方法を検討した.さらに埼玉県内の自治体の使用済み小型家電のリサイクル状況・問題点を把握し,手解体工程や最新設備の導入効果を経済性・環境性の面から評価した.
  • 小口 正弘, 田崎 智宏
    セッションID: A3-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    企業間競争やライフスタイルの変化に伴って複数の機能を有する多機能製品が普及してきている。多機能製品は複数の従来型単機能製品を代替することで製品の保有・使用に伴う資源使用量の削減に寄与する可能性がある一方で,多機能製品は新たな市場を開拓によって単純な単機能製品の代替ではなく製品の追加的な保有に結び付いている可能性もある。本研究では,製品機能に着目した機能ベースの製品保有台数(ストック)の推移を推計し,多機能製品の普及による省資源化効果を考察した。洗濯乾燥機の事例では,従来型洗濯機と衣類乾燥機の大部分を代替しており,多機能化が省資源化に寄与していることがわかった。一方,スマートフォンの事例では,携帯電話機能に着目すれば従来型の携帯電話を代替しているものの,他の機能(音楽再生やデジタルカメラ機能)については従来型製品をほとんど代替しておらず,機能の追加的な保有に結びついていることがわかった。
  • 守富 寛, 大川 祥弘
    セッションID: A3-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    UNEPより各国の水銀大気排出インベントリー調査が始まり,日本でも水銀排出源の見直しと排出量の精緻化が進められている。産業施設からの水銀排出インベントリーと関連して,簡便なマテリアルフローツールキットの開発は必要である。本研究では視覚的なシステムダイナミックスソフトウェアであるVenim DSSを用い,排出源として化石燃料を用いた火力発電や石油精製,鉄鋼製造,非鉄金属製錬,セメント製造,石灰石製造,パルプ・製紙製造などを対象とした。計算からは,20~25tonが大気に排出され,この内訳としてフライアッシュなどセメント副原料へのループの寄与を検討し,Vensimモデルにより有害微量金属の移動評価,排出量予測が可能である,パラメーター変更で予防的アプローチが可能である,河川・海洋と土壌に影響を与える下水汚泥からのフローの見直しと市中保有からの排出を検討する必要があるなどのことを明らかにした。
  • 小口 正弘, 守富 寛, 大川 祥弘, 笹原 圭, 早乙女 拓海
    セッションID: A3-7Poster2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    有害金属の適正管理に向けた基礎情報としてそのマテリアルフロー・ストックと環境排出量の把握は重要である。水銀(Hg)については国際的管理に向けたこれまでの検討の中でマテリアルフローや排出インベントリのデータ整備が行われてきている。一方,カドミウム(Cd)と鉛(Pb)もUNEP重金属プログラムの対象として国際的な検討が行われてきているなど,将来の適正管理に向けて同様の基礎情報を継続的に整備していくことが必要と考えられる。 本研究では,PRTR届出排出量を環境排出量として適用することの妥当性を検討するため届出排出量算出方法の実態調査を行うとともに,Cd,Pbの環境排出を含めたマテリアルフロー・ストックの最新かつ時系列データの推計とフロー・ストックモデルの作成に向けた検討を行った。
  • 徐 維那, 森本 慎一郎, 高木 哲一
    セッションID: A3-8Poster1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    レアメタルやレアアースのような希少金属は産業系のビタミンと呼ばれているだけに、他の金属に比べ最終製品における使用量が少なく、その範囲が広いため、今までは中長期的な需要予測に関する研究例は極めて数が少なかった.そこで、本研究では、1)ジスプロシウム(以下Dy)を対象に、最終製品のDy使用製品比率,Dy含有率,生産量を基に、2030年までの最終製品別Dy需要量を予測し、2)省Dy技術開発、代替材料開発、リサイクルの将来シナリオを想定し,Dy含有率やリサイクル率を変えることによってこれら戦略がDy需要量に与える影響を定量的に評価する手法を提案した.本手法を用い、将来シナリオとDy需要削減量との因果関係を定量的に評価することにより、その有効性を証明することができた.本研究の結論により今後,レアメタル需要量の将来予測に基づく有効なレアメタル戦略の検討に向けて有用な知見が得られることが期待できる.
A4  ごみフロー・物質フロー 2
  • 岩田 康平, 大方 郁已, 醍醐 市朗, 後藤 芳一
    セッションID: A4-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
  • 矢野 順也, 李 鎔一, 浅利 美鈴, 酒井 伸一
    セッションID: A4-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    録画再生機器で用いる記憶媒体が近年大量に普及・流通しているが、機器本体に注目が集まりやすく、記憶媒体に関する議論や研究は盛んではない。本研究では、記憶媒体の国内使用状況の全体像を明らかにすることを目的に、国内フローと家庭内ストック及び廃棄ポテンシャルの推定を行った。研究方法としては、国内フローについては統計値、家庭内ストックについてはアンケート調査を行った。
    その結果、重量ベースでは1998年が最大値14万tとなり、その後減少傾向となった。2011年現在の消費量は10万tであった。一方で、個数ベースでは1988年から2011年には倍増、情報量ベースの比較では、37倍となっており、記憶媒体の小型軽量化、高容量化を反映する結果となった。家庭内ストック量は、統計値から推定した累積販売量340億個の内、約210億個(60%)が家庭内にストックされていることが明らかとなった。
  • 平井 康宏, 藤本 祐希, 酒井 伸一
    セッションID: A4-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    ごみ発電のバイオマス割合や廃棄物焼却由来の温室効果ガス算定に、炭素同位体比を用いる14C法が注目されている。14C法を適用するには、大気核実験による木材への14C濃度の一時的上昇を補正するため、測定対象とするバイオマスの組成にあわせて地域ごとにバイオマスの14C/12C比率を設定する必要がある。本研究では、筆者らがこれまでに推定した建築廃木材および紙ごみに加え、廃家具や厨芥類についても14C/12C比率を設定し、それらのごみ組成比率ならびに炭素含有率を勘案して、都市ごみ中バイオマス全体の14C/12C比率を推定した。ごみ組成比率の不確実性にディリクレ分布を、組成別炭素含有率に正規分布を、組成別14C/12C比率にベータ分布を仮定したモンテカルロシミュレーションの結果、14C/12Cは1950年を基準として105.8%±1.4%と推定され、既往研究(スイス111.3%)より低かった。
  • 矢島 達哉, 樋口 壮太郎
    セッションID: A4-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    埋立廃棄物の再資源化による処分場の再生システムを検討するため、一般廃棄物を対象に埋立廃棄物の組成と塩素濃度の評価を調査を行った。その結果、埋立廃棄物の6割以上を占めている焼却残さの塩分濃度は、近年では平均5%と評価された。飛灰は排ガス処理の影響を受けるため、変動が大きく、1975~1990年頃までは塩素濃度が高い可能性があった。焼却残さについては、脱塩処理によってセメント資源化できる可能性がある。
     直接処分廃棄物は、不燃ごみと粗大ごみを仮定した場合、不燃物37%、鉄30%、プラスチック類27%であり、全体の塩素濃度は1.3%と評価された。なお、塩素の約8割はプラスチックに含まれる。焼却処理以外の処理残さは、破砕分別処理後の廃棄物を想定して評価した結果、不燃物70%、プラスチック類18%、鉄10%であり、塩素濃度は0.9%であった。
  • 伊藤 新, 橋本 征二
    セッションID: A4-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    循環型社会形成推進基本計画で採用された資源生産性指標は、欧州を中心に持続可能な発展の指標のひとつとしても広く採用されており、国際比較も行われているが、その値は国によって大きく異なっている。本研究では、資源生産性の差の要因を明らかにすることを目的として、資源輸出国・輸入国10ヶ国を対象に、各国の財・サービスの資源利用強度と需要構造の違いが各国の資源生産性にどのような影響を与えているかを分析した。
  • 金 相烈
    セッションID: A4-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
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    産業廃棄物のマニフェスト情報を電子化している韓国や台湾の事例のように、マニフェスト情報を電子化することにより、信頼性の高い統計データやリサイクル促進など多面的な利用可能性が分かった。日本では、電子マニフェスト利用率がまだ低く(約30%)、残りの紙マニフェスト情報は電子情報としてデータベース化されていないことや、重量のほかに体積も認めていること等から、統計データとして利用する例は極めて少なく、別の方法(アンケートやヒアリング調査等)でデータを収集しているので、莫大なコストや時間、手間がかかるのが現状であり、リサイクルへの利活用もまだ難しいが、紙ベースのデータの統一した電子化、重量への換算係数の精度向上、リサイクル促進等のためのマニフェスト項目の検討など、を行うことにより、改善の可能性はある。
  • 小松 孝裕, 小山 祥太郎, スジャウディン モハマド, 村上 進亮, ムシャラフ ホセイン
    セッションID: A4-7Poster1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    持続可能な資源利用を目指す上で、急激に増加する事が予想される途上国の資源利用量を包括的に可視化し評価するためのデータ整備が急務である。本研究では、高人口密度・地理的特性に由来するセメントの輸入依存・労働集約的なレンガ産業の発達という特徴を持つバングラデシュをケーススタディとし、現地調査・統計情報等の活用により、マクロ的な資源利用をエコノミーワイド・マテリアルフロー分析の観点から分析した。結果、レンガ(焼成過程での大気汚染物質の発生など環境インパクトがある一方で、砕いたものがコンクリート骨材や路盤材として利用される)、船舶由来の鉄鋼、廃棄物からのリサイクルを含むフロー(既存研究のデータベースには含まれない)の存在感が定量的に明らかになった。今後資源消費量、廃棄量ともに増大が予想される中で、資源消費にもとづく環境影響を評価し、分析結果を踏まえて都市計画や制度整備を遂行していく必要がある。
A5  廃棄物管理・計画 1
  • 陳 正源, 大村 健太, 一久保 晶, 清水 康, 小野田 弘士, 永田 勝也
    セッションID: A5-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    食品系廃棄物は再生利用やエネルギー利用の観点から着目されているが,事業継続を行うことが非常に難しいと言われている.なかでも,処理量の安定確保が事業継続において重要だとされているが,現状では食品系廃棄物の量を把握するための先行研究がほとんどされておらず,十分な取り組みが進んでいるとは言い難い状況にある. そこで,本研究では循環型社会の構築に寄与することを目的に,業種ごとにおける食品系廃棄物の賦存量,未利用資源量の排出原単位を各種報告書を活用することで構築した.さらに,排出原単位と地理情報システム(GIS)を連携することによって食品系廃棄物の排出実態の可視化を行った.そして,その整合性を確認するために,収集・運搬業者の実際の回収店舗の空間分布状況が推計賦存量の高いエリアにある程度の一致性が見受けられ,回収量の実績値と推計値に関しても誤差が約8%となっており,非常に精度が高いことが判明した.
  • 田崎 智宏, 藤井 実, 佐野 彰, 稲葉 陸太, 山口 直久, 千葉 俊彦
    セッションID: A5-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    今後予測される人口減少を見据え、廃棄物処理システムは戦略的な転換が求められている。本研究では、さらなるリサイクルの取り組みによるごみ量も考慮しつつ、人口減少に合わせて複数の市町村が共同してごみ処理とリサイクルを実施することを想定し、人口減少社会における廃棄物処理システムを戦略的に転換させるためのシステム評価を実施した。施設統合と高効率発電の導入による効果を温室効果ガスの排出量と費用の面から定量的に評価した。
  • 大久保 伸, 谷川 昇, 馬場 寿
    セッションID: A5-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    産業廃棄物の中間処理施設におけるマニフェストの運用や記載情報の正確性の認識、廃棄物の計量実施等の現状を明らかにするために、アンケート調査を実施した。その結果、次のような結論を得られた。1) ほとんどの中間処理施設でPCを保有し、約80~90%でマニフェスト管理にも利用されている。また、約60~80%でトラックスケールを保有しており、それらの約90%で搬入廃棄物の重量測定が日常的に実施されていた。2)環境省から示されている重量換算係数は8割で認知されているものの、その値については半数で信頼されていない。信頼性の向上のためには、数値の見直しが望まれる。3) ほとんどの中間処理施設では、マニフェスト記載の種類と数量は、搬入される産業廃棄物と概ね一致しているとし、それらを産業廃棄物処理実績報告に利用していた。よって、マニフェスト記載情報の確認は、産業廃棄物行政においても極めて重要である。
  • 吉田 綾子, 森田 弘昭, 高橋 正宏
    セッションID: A5-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    少子高齢化に伴う人口減少が顕在化しつつある現在、地域の行政サービスにおいて他事業との連携による横断的なコスト削減、効率化が求められている。直投型ディスポーザーの導入は、「下水道によるバイオマス資源の回収・再生」といった下水道システムの新たな役割に寄与すると考えられる。しかし、現状ではディスポーザーを導入している自治体は少なく、ディスポーザー導入の影響評価は下水道サイドでの検討が多いため、ディスポーザー利用者のごみ出し行動や生ごみ処理の実態について十分な知見が得られていない。本報では、ディスポーザー導入地域の実態調査の結果から、ディスポーザー利用者の生ごみ処理に着目して、ディスポーザー使用状況(ディスポーザーによる生ごみ処理状況)、ディスポーザー設置地区のごみ出し状況について報告する。
  • 浅利 美鈴, 酒井 伸一, 田崎 智宏
    セッションID: A5-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    小形電池には、様々な種類が存在するが、中には有害金属や希少金属を含むものがある。
    日本における廃電池の回収リサイクルの実態について、回収リサイクル実績及び制度の整理を行うと同時に、海外の事例との比較やアンケート調査結果などから、今後の日本における廃電池の回収・リサイクルに向けた課題及び可能性を述べた。
  • 戸敷 浩介
    セッションID: A5-6Poster2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー


    従前より国によるごみ処理の広域化が進められてはいるが、自区内処理の原則は根強く、現在でも中小規模の自治体において焼却施設が老朽化した際には、新規施設の建設が計画されることが多い。一方で、自治体の廃棄物発生抑制や分別・リサイクルに関する施策効果などから、可燃ごみの排出量は減少傾向を示しており、焼却施設の稼働率も低下しつつある。そこで本研究では、可燃ごみの収集と焼却処理を広域化した場合の、焼却施設の稼働率、エネルギー収支、温室効果ガス排出量への影響を定量的に比較するため、地理情報システムを用いたシナリオ分析手法を提案した。本研究では、事例として静岡県中部地域を挙げて、新規施設を設置するシナリオと、静岡県中部地域の6市2町で広域処理を行うシナリオを設定し、分析を行った。その結果、温室効果ガス排出抑制以外は、広域処理にメリットがあるか、もしくは新規施設とほぼ同じ効果が得られることが分かった。
A6  廃棄物管理・計画 2
  • 永田 勝也, 小野田 弘士, 胡 浩, 大村 健太, 竹原 裕人, 小野 裕介
    セッションID: A6-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    循環型社会の構築が求められている中で,各自治体の廃棄物の処理体系に関する調査を進め,特に,山元還元として注目されている溶融飛灰の取り扱いについて深く調査してきた.さらに,東日本大震災の影響により,放射性廃棄物等の問題から溶融炉は転換期を迎えている.本稿では,震災後初となる溶融施設のデータ収集であり,これまでの集計結果との比較検討を行った.結果として,震災が原因で停止した溶融炉を地方別で見ると,東北・関東地方での停止が目立つ結果となり,津波・地震による耐火物の落下等の外的損壊,停電あるいは夏季計画停電を配慮したことが停止の理由として挙げられた.また,全国的に多くはないが,施設ごとに受入廃棄物に対して放射能の基準値を設けている溶融施設もある.そこで,全国の放射線対策状況を調査したところ,東北・関東地方では検討,実施している施設があるものの全国的には未だに検討していない施設が多いことが分かった.
  • 平間 翔太, 村上 進亮
    セッションID: A6-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    太陽光発電設備の需要が高まる一方で、パネルの廃棄に関する問題が浮上してきている。1980年代に登場し、90年代にかけて普及し始めた太陽光発電が、約20年と言われている耐用年数を過ぎ次々と廃棄されている。このまま急速に増え続ける太陽光パネルの廃棄物に対して何もマニュアルのないまま処理されていくと、不適切な処理による環境汚染の発生や不法投棄といった問題が生じる可能性もある。そういった問題を未然に防ぐためにも、廃棄物が大量に出る前に太陽光発電設備の正しい処理方法の選定や効率的な収集運搬システムを模索する必要がある。本研究では、その手始めとして既存の処理方法を参考にして太陽光パネルの適切な収集運搬システムについて検討する。
  • 藤原 健史, シティ  ノルバイズラ
    セッションID: A6-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    イスカンダールマレーシア (IM) はマレーシア南部のジョホールバル州に計画された特別な地域であり、2005年から2025年までの20年間に人口が2倍の300万人に急成長することが見込まれた開発地域である。この地域の廃棄物処理は最終処分のみであり、将来予想される大量の廃棄物に対して廃棄物マネジメントは持続発展的とは言えない。この地域を温暖化対策都市へと導くために「2025年のIMにおける低炭素社会」の研究が始まり、12のアクションプランの中の1つが我々の取り組む「持続可能な廃棄物マネジメント」である。低炭素社会の条件を満たしつつ循環型社会の形成に向けた廃棄物マネジメントの導入を検討した。具体的には、将来に最終処分場に搬入するごみの半分を減らし、同時に温室効果ガスの排出量を半分に減らすことを目的とした。サブアクションには、都市ごみ、農業ごみ、産業ごみ、下水処理ごみ、そして建設ごみについて考慮した。計算の結果、2000年に比べて2025年にはそれぞれ 65% (13 tCO2/year), 79%(7 tCO2/year), 81%(4
    tCO2/year), 10%(2 tCO2/year), 69%(0.1 tCO2/year)の低減となった。2025年の高い参加率と分別効果のもとで達成された。
  • 新発田 修治, 阿部 勝義, 高瀬 孝弘, 高橋 宗介, 岩谷 光晃, 遠藤 正勝, 木谷 祐也, 松田 從三
    セッションID: A6-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    エゾシカによる農林業、交通関連事故など被害が深刻である。減頭には狩猟奨励の他に安全・簡便な処理法が必要である。夏期では全重で最大84.5%まで発酵減量ができた。しかし発酵減量法の確立には、平均外気温が-17℃の厳冬期での検証が必要がある。そこで、無加温の簡易施設内で、乳牛糞尿と木材チップで新たに調整した発酵床(A区)と夏以降7ケ月間継続使用した発酵床(B区)を用いて減量率を調査した。また、2月以降、囲いわなで捕獲した合計28頭を用いて実証試験を3回行った。その結果、A区では1週後に45.5%(骨以外では54.5%)に減量され、切返し1週後には、全重で82.7%(骨以外では89%)まで減量された。B区では、1週後に切返すと全重で72.5%(骨以外では80%)だった。処理実証実験では、発酵床に2層にエゾシカ死骸を重ねて8日~10日目に切返すことにより実用上支障なく減量できた。夏期試験以来の成果を受けて、H25年4月から全国初の公設「枝幸町有害鳥獣等減量化処理施設」が稼働した。
  • 橋本 治, 三橋 博巳, 横内 憲久
    セッションID: A6-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    ごみ管路輸送システムの火災・爆発リスクを廃棄物安全の視点から検討した。また、減圧条件下でのごみの希薄空気燃焼について発火試験を行い、着火源がれば発火することを確認した。
A7  廃棄物行政/有料化・経済的手法
  • 熊丸 博隆
    セッションID: A7-1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    日本の47都道府県を対象としたパネルデータ分析を行い、ごみ有料化による家庭ごみ(一般廃棄物)排出量に対する効果を観察したところ、都道府県内でのごみ有料化を導入する自治体が増加すると、排出される家庭ごみの量は減少することがわかった。これは特に可燃ごみや不燃ごみに対して影響が見受けられた。さらに家庭ごみと可処分所得の間には環境クズネッツ曲線の逆U字型の関係が存在する事、また現在は右下がりの傾向にある事が分かった。これにより経済発展の進行により廃棄物発生量が逆に改善されている事が分かる。
  • 藤倉 まなみ, 谷川 昇, 大久保 伸
    セッションID: A7-2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    廃棄物処理法に基づき事業者から提出される産業廃棄物管理票交付等状況報告書(マニフェスト報告書)の集計と活用が自治体に求められている。そこで自治体に活用実態等についてアンケート調査を行ったところ、マニフェスト報告書の記載情報の全てが集計されてはいなかった。マニフェスト報告書を活用し、委託業者の許可の確認、立入調査や産業廃棄物処理実態調査に活用している自治体もあるが、その割合は低い。自治体が同報告書の内容を集計し、より有効に活用するためには、電子化の推進を含む集計作業の効率化、マニフェスト報告書を提出すべき者の全数把握ができる制度の構築、マニフェストの記載内容の正確性の向上が必要である。
      また、マニフェストの記載内容の正確性の向上のために、自治体は、中間処理業者・最終処分業者の指導に当たり、実績報告の数量の根拠を確認し、必要に応じトラックスケール等による重量測定を指導することが必要である。
  • 山本 耕平, 酒巻 弘三, 細田 佳嗣, 小坂 兼美
    セッションID: A7-3
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    容器包装のスーパー等での店頭回収は、企業の社会的責任としての範疇を超えて、容器包装リサイクルに不可欠な社会システムとして重要な役割を果たしている。本稿は店頭回収の先進事例調査にもとづいて、店頭回収の動向や可能性、課題について考察したものである。 事例として、自治体が積極的に関与し店頭回収の機能を活用して、容器包装以外の乾電池などの回収を行っている例など、店頭回収と自治体の拠点回収のハイブリッド型がある。また再生資源の価格上昇を背景に、自社で大規模なリサイクルセンターを建設して店頭回収の事業化を見越した取り組みをしている事例もある。店頭回収は消費者のライフスタイルに合ったリサイクルルートであり、推進に当たっては自治体との協働や連携がカギとなる。また廃掃法の規制によって回収対象物が限定されたり広域に運搬することができないなどの問題もあり、法規制の見直しも必要である。
  • 松岡 慶, 石川 龍一, 三好 敬久
    セッションID: A7-4
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    我が国の一般廃棄物処理は焼却処理による安定化と埋立負荷軽減を主目的に各自治体単位で施設整備を続けてきたため、いまだに千を超える比較的小規模の焼却施設が国内に存在する上、同一地域で発生する他の産業廃棄物との統合処理などの合理的かつ経済的な施設整備も十分には行われておらず、その結果として我が国の廃棄物処理コストは先進諸外国と比べて高い状況にある。本稿では、国家・自治体財政の中で大きな割合を占める廃棄物処理コストを少しでも減らし、将来世代の負担を軽減する目的から、既存焼却施設の余剰能力を活用した効率的な廃棄物処理システム構築の可能性について考察した。特に、現行の法規制に基づく施設の最大処理能力と熱量基準で見た最大処理能力との差異を明らかにするとともに、熱量基準で見た余剰能力を最大限に活用するために必要となる規制緩和措置等について検討した結果について述べる。
  • 竹本 和彦, 本多 俊一
    セッションID: A7-5
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約は,1970年や80年代に発生した先進国から開発途上国への有害廃棄物の処分を目的とした移動に起因し,これらを規制するべき主張が国際的に大きく取り上げられたことである。条約制定当初は,1995年に採択された有害廃棄物の輸出禁止に関する条約改正(BAN改正)が象徴するように,先進国から開発途上国への有害廃棄物の越境移動を全面禁止することで,開発途上国へ越境移動された有害廃棄物が原因による環境影響・人的被害を防ぐことが国際交渉上の主要な力学であった。しかし,2000年代以降,資源回収を目的とした有害廃棄物の越境移動が活発になるにつれ,有害廃棄物の資源価値が国際的に注目されるようになってきている。本稿では,バーゼル条約の国際的な交渉を踏まえ,廃棄物の資源化戦略のための越境移動と環境上適正な管理の在り方について議論を行う。
  • 多島 良, 大迫 政浩, 田崎 智宏
    セッションID: A7-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、東日本大震災における災害廃棄物処理の進捗に対して、通達などの行政内規を含む諸制度が与えた影響を明らかにすることを目的とした。このために、①制度、②制約条件、③「行政マネジメント」と「処理プロセス」からなる関連主体の行動と、④効果(処理の進捗)の関係を模式的に示す政策実施プロセスモデルを構築し、①制度については、東日本大震災における災害廃棄物処理に係る制度対応の類型化により分析する視点を導いた。本モデルを、仙台、東松島、名取の3市における災害廃棄物処理の実態にあてはめ、制度が処理進捗に与える影響を考察した。結果、国の処理戦略の提示と許可・届出の簡素化は行政マネジメント、処理方法の緩和と要求および適正保管の依頼は処理プロセス、委託可能性の拡大と国庫補助の枠組み構築に関する制度対応は行政マネジメントへの作用を介して処理プロセスに影響することで、処理進捗に影響したこと等が明らかとなった。
  • 高田 光康, 大塚 康治, 大迫 政浩, 森 朋子, 八木 美雄
    セッションID: A7-7Poster1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    原発事故を受けた特措法により、特定一般廃棄物の処理に直面している地方自治体の実情を、ヒヤリング調査と研修実施により把握した。抽出された技術的事項と住民対応への課題点の克服に向け研究機関の果たすべき役割として、情報の蓄積と発信、実務者の意見交換と交流の場の提供を目指した情報プラットフォームの構築と、キーパーソンとなる人材育成のための研修プログラム検討の取組みを行っている。
  • 沼田 大輔
    セッションID: A7-8Poster2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    本報告は、回収・リサイクルを企図した弁当容器の回収を進めるべく、福島大学で2013年4月から弁当容器にデポジット制度が導入されるに至った経緯およびそこでの議論の論点を明らかにするものである。本報告は、今後、弁当容器をはじめとする各種の製品の回収にデポジット制度を検討する際の論点を提起していると考えられる。
  • 廣瀬 正博, 山川 肇
    セッションID: A7-9Poster1
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、13大都市における事業系ごみ排出量の1998年以降の経年変化を比較し、その傾向を示すとともに、その期間中に実施された手数料料金の改定が、他の同時に追加・変更された施策等との関係で、どのようにごみ量に影響するかを分析した。その結果、以下の結果が得られた。(1) 大都市の事業系ごみ排出量は、2000年以降、多くの自治体で減少傾向にある。(2)手数料改定の減量効果は、実施前までの事業系ごみ排出量のトレンドに影響を受ける。(3)トレンドの影響を考慮した上で分析したところ、手数料改定と同時期に搬入規制を実施した場合は事業系ごみの減量効果が大きく、それを除くと「減量化ポテンシャル」が高く、かつ「手数料値上げ幅」がある程度高い場合に、減量効果が認められる。
  • 秋山 貴
    セッションID: A7-10Poster2
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/01/21
    会議録・要旨集 フリー
    福島第一原発事故に伴い発生した放射性セシウム濃度が8,000Bq/kgを超える指定廃棄物の最終処分場候補地選定のための指定廃棄物処分等有識者会議(2013.3~)が設置され、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県における処分場の在り方が議論されている。これと並行して、対象となる5県の自治体を対象とした市町村長会議が開催されており、この問題に関する自治体の意見等が集約されているが、現在(2013.8)のところ両者の方向性は必ずしも一致しているとはいえない。最終処分場は従来から迷惑施設の典型とされ、立地に際しては住民紛争が多発しているが、今般の指定廃棄物処分場においては考慮すべき新たな要素が加わり、それらが立地問題をますます困難なものとしている。そこで本稿は、有識者会議と市町村長会議における議論等を整理し、指定廃棄物処分場立地問題に係わる問題点を整理し、今後の議論の方向性について考察する。
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