抄録
容器包装リサイクル法に基づき、法実施に関する多くのデータが公表されている。その1つである日本容器包装リサイクル協会(以下、「容リ協会」)が公表したPETボトル落札データの分析を試みた。その結果、容リ協会における落札では、運搬の制約のために地域内(全国を10区分して比較)での競争が主流であり、地域価格が、ある程度形成されていることが分かった。筆者の先の調査では、独自処理との間に価格差があるが、本稿では、地域の容リ協会管轄下の落札環境が十分な競争状態にあるかどうかは判定できなかった。
一方、広域取引と落札価格の間に特定の関係は見いだせなかったものの、地域をまたいで落札する事業者によって、競争環境が強まる可能性がある。また、独自処理の比率の大きいことが、地域の競争を高めている可能性も示唆された。