抄録
食品廃棄物中には多くのタンパク質が含まれており、そのタンパク質中からアミノ酸を抽出することによるアミノ酸肥料の製造への応用が期待されている。その際、抽出や製造の過程においてタンパク質中のアミノ酸の定量分析が必要となる。そこで、ラマン分光法をアミノ酸の定量に適応することを試みた。グリシンとL-アラニンの水溶液を0.2~0.05 mol/Lに調製し、各水溶液をそれぞれ濃度比1:1, 1:2, 1:4で混合させ、2成分系試料を調製して擬似的なタンパク質を作成した。この2成分系試料のラマンスペクトルの測定を行い、次に各アミノ酸の純成分試料における試料濃度に対するラマン強度比をプロットした検量線上に本研究での測定結果をプロットした。その結果、グリシンとL-アラニンの測定結果のプロット点が純成分の検量線とほぼ一致し、良好な結果を得ることができた。したがって、食品廃棄物中に含まれるアミノ酸の定量分析への応用が可能であることが確認できた。