主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
化石燃料代替として注目されているバイオエタノールは、その原料が食糧と競合することから、廃棄物系バイオマスなど非可食原料を用いた製造が検討されている。国内の一般廃棄物は平成23年度で約3,500万t、厨芥類と紙類は約2,200万tであり、年間を通じて安定的なエタノール原料として有望である。平成23~24年度の環境研究総合推進費補助金事業「廃棄物からのバイオマスの回収とエタノール変換技術の開発」において、一般廃棄物から紙類や厨芥類といったバイオマス資源を回収し、同時糖化発酵によりエタノールの製造を行う実証試験を実施した。その結果、多様な一般廃棄物を原料とした場合においてもエタノール5%以上の発酵醪が得られ、蒸留・脱水処理後、JIS規格の燃料用エタノールに適合することを確認した。原料あたり150L/tのエタノールが製造でき、国内の一般廃棄物から概算すると150万kLの製造が可能であった。