抄録
放射性セシウムで汚染された廃棄物・土壌を熱処理して、放射性セシウムを除去する技術(乾式Cs除去技術)の開発を行なっている。平成24年度は熱処理により浄化された生成物(浄化処理物と称す)の各種土工資材としての適用性を評価することを目的に、実規模レベルの設備を用いて浄化処理物を製造し、品質評価を行なった。出発原料として粘土粉末(非汚染)および下水汚泥の利用を想定し、粘土にリン・鉄・クロムを添加したものを用いた。これに高性能反応促進剤を添加し、放射性セシウム濃度を確実にクリアランスレベル(100Bq/kg) 以下にできる条件で浄化処理物を製造した。得られた浄化処理物の品質評価試験を行なった結果、重金属溶出量は基準値を満足し、かつ盛土・路盤材・コンクリート骨材としての各種基準にすべて合致し、土工資材として使用できることを実証できた。