抄録
製糖工場からは黒褐色廃糖蜜が多く副生される。この残留する色度は従来の生物処理では難しいため、酵素原料としての利用も減少傾向にある。この状況に対してMycelia sterilia M-1株による処理や樹脂による吸着が検討されている。本研究では、木炭による吸着機能と微生物による再生も期待できる生物木炭による脱色を検討した。
その結果、生物木炭10gにより1.0%濃度廃糖蜜を25℃、pH 6~10、5日間で約40%脱色することができた。反応間、易分解性の炭素源の消費と同時に、難分解性の有機物も分解されていると思われるので、今後はその挙動について検討する。また、CODMn増加の結果から、微生物が副産物を生成していると考えられるので、高速液体クロマトグラフィーやTOC等を用い分析を試みる