抄録
化石燃料を必要とせず発電時に排出物が廃棄物・温排水・排気などが出にくないクリーンなエネルギーを利用した発電デバイスの開発は現在盛んに行われている.その中で太陽電池は一次電池や二次電池のような蓄電池とは異なり,光を即時に電力に変換して出力する発電装置であり,既に民生品として流通しているシリコン系太陽電池をはじめとした様々な仕様の太陽光発電装置についての研究が各所で展開して行われている.その中でも特に次世代型電源の有力候補として注目されているのが,色素増感型太陽電池である.しかしながら,発電に必要とされる成分である有機分子の光に対する耐久性やセル内の電解液の液漏れによる性能の低下,安全性への不安といった問題点が残されているために,これらを克服するための材料および装置の開発が急務必要とされている.本発表では,従来には無い食品廃棄物の再利用法として卵の内皮である卵殻膜を色素増感型太陽電池の発電素子部位に活用する試みを行い(図-1),食品廃棄物の有効利用に繋がる成果を得たので報告する.