主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
筆者らは浸出水に溶解する炭素量を考慮した、埋立地からの温室効果ガスの発生量を予測する手法について検討しており、浸出水への有機物成分の溶出量の予測式「液相分配量予測モデル」を提案している。本モデルでは、液相への分配量を決定する可溶化期間を、充填廃棄物中の易分解性有機物(厨芥)からの最大炭素溶出率を用いて算出しており、準好気性では嫌気性の最大溶出率をベースとし、それに好気性分解の割合を大型埋立実験槽の結果から「炭酸ガスメタン比」を用いて算出している。本検討で、準好気性のCO2/CH4は埋立地の状態を反映させながら経時的に変化する事、浸出水へ溶解する二酸化炭素量の違いによるCO2/CH4への影響は確認されたが、寄与率は低い事が明らかとなった。ガス生成期の初期におけるCO2/CH4の平均値を適用する事で、「液相分配量予測モデル」に必要な好気割合を反映した液相分配量が予測できる可能性が示唆された。