抄録
焼却炉の普及により最終処分される廃棄物の86%を焼却残渣が占めるようになった。この結果、最終処分場では様々な課題が生じてきた。例えば①浸出水の高濃度無機塩類化による脱塩処理の増加と、これに伴い発生する副生塩の適正処分問題。②排ガス処理に用いられる石灰に起因するカルシウム汚泥の大量発生。③飛灰安定化処理に使用される有機キレート剤に起因する硝化阻害物質等による浸出水処理の困難性。等があげられる。このため、浸出水管理が困難となり埋立地の安定化が遅れることとなっている。本研究はこれらの課題を解決するため焼却排ガス処理やキレート剤評価を行い、効率的で持続的な処理システムを提案し最終処分場の安定化促進、適正管理に貢献することを目的とする。