近年、余剰ブラウン管が大量発生し、高濃度に含有している鉛(Pb)を除去し無害化する処理が必要である。また、代替として流通している液晶ディスプレイには、消泡剤としてヒ素(As)またはアンチモン(Sb)が含まれる。先行研究では、ガラス製品中Pb, As, Sbを除去する方法として塩化揮発法を適用し、揮発除去および溶出抑制効果が認められた。他方、有害性が懸念される臭素化難燃剤のひとつであるテトラブロモビスフェノールA(TBBPA)を臭化剤として利用した臭化揮発効果の報告がある。また、都市ごみ焼却飛灰は、一般的に高濃度で塩素を含有しているが、塩化剤としての適用研究例は見当たらない。本研究では、TBBPAおよび焼却飛灰の臭化剤、塩化剤としてのガラス製品中Pb, As, Sbへの適用可能性を実験的に検討することを目的とした。同時に、揮発処理後ガラス製品残渣からの溶出特性評価も実施した。