抄録
道路地盤での液状化は下水管などの管路に多大な影響を与えるため、液状化対策が施された地盤材料が求められている。また、建設残土の処理などで発生する汚泥は、粒径が細かく力学的強度に劣るため、土木材料としての再利用が進んでいない。2つの課題を受けて、汚泥をそれよりも粒径の粗い鉱さいに混合することで、液状化対策に効果がある新たな改良土をつくることを目的とする。 本研究では、汚泥の配合率を全体に対して0~30%とした供試体6つを用いて突き固め試験と修正CBR貫入試験を行なった。その結果、汚泥配合率20%である供試体の強度が一番高いことがわかった。この結果を受けて、汚泥配合率20%の供試体と鉱さいのみの供試体の2つを用いて、液状化を模した振動実験を行うと、汚泥配合率20%の供試体は約1.7倍の加速度まで液状化しにくくなり、汚泥を配合することで液状化抵抗に優れた改良土を作製できることが明らかになった。