近年、埋立廃棄物に占める焼却残渣は年々増加の一途をたどっている。この様な背景の中、焼却施設から発生するばいじん(以下、飛灰)は特別管理一般廃棄物に指定されており、定められた中間処理が義務づけられており、薬剤処理(その他の方法との併用を含む)が全体の7割を占め、有機系キレート剤による処理が主流となっている。浸出水処理プロセスにおいては、硝化阻害やCOD除去率の低下など様々な支障が顕在化してきており、近年、飛灰の無害化処理に伴い使用されるキレート剤の影響であることが分かってきた。これまでに、キレート剤が硝化阻害等の水処理に与える影響について把握するため、硝化阻害実験、浸出水に含まれる未反応キレート剤等の無害化処理等について報告した。本報告では、硝化阻害作用が疑われる有機系キレート剤について、浸出水中に含まれる未反応キレート剤等の長期的な挙動について報告する。