抄録
ごみ焼却施設の持つ強靭性およびごみ焼却に伴う余熱の独立系エネルギー源としての潜在能力が改めて見直されている。また、豊中市および伊丹市の一般廃棄物共同処理施設である豊中市伊丹市クリーンランドにおいては、平成28年度より稼動予定の新ごみ焼却施設から発生する余熱利用について「余熱利用の基本方針策定委員会」を設置し、基本方針に関する検討結果をまとめ、平成27年3月に答申がなされた。
本報告は、基本方針策定委員会の検討の過程において実施した余熱利用に関する動向調査の結果について報告するとともに、基本方針の答申に至る経緯とその内容について紹介した。
動向調査の結果、地域還元を目的とした余熱利用施設の経営は全国的に厳しいことがわかり、これを受け基本方針では、これまでの余熱を利用した施設型の地元還元から、施設型でない地元還元への模索について提言がなされた。