抄録
本研究では、生ごみメタン発酵により得られるバイオガスの余剰熱をバイオ軽油製造施設で利用し、バイオ軽油製造時の副産物である重質油分、ナフサ留分をそれぞれ重油代替、ナフサ代替として利用した際の環境負荷削減効果をLCAにより定量化した。
機能単位は、「京都市の家庭系及び事業系廃食用油のそれぞれ年間1,050 t、1,020 tの処理、家庭系一般可燃ごみ20.9万tの処理と、70.9TJ相当のごみ収集車用燃料の製造と使用」とした。また、システム境界としては、一般可燃ごみ及び廃食用油の収集から処理・再資源化、最終処分までとした。結果としては、焼却シナリオと比較して、バイオ軽油導入シナリオでは地球温暖化で37%、都市域大気汚染で31%の削減効果が見られた。加えて、副産物の化石燃料代替効果は大きいため、これらを含めたシステムの検討が必要であることが分かった。