抄録
東日本大震災以来、大規模災害も見据えた災害廃棄物処理への制度構築や対策が進められている。そのような中、局所集中的な豪雨等による災害も、全国各地において後を絶たない。2014年8月に広島にて発生した豪雨による土砂災害は、その一つとして記憶に新しい。この災害においては、多量の土砂混じりがれきを含む災害廃棄物が発生したものの、地元自治体のみならず、国(環境省)の職員も初動時より現地に入り、災害廃棄物処理の調整にあたり、発災から1年半で処理を完了させ、リサイクル率は99%以上となった。そのプロセス全体を俯瞰し、対応の工夫や課題、それらが処理全体に与えた影響について考察した。また、今後の対応に結びつける点として、優良事例及び課題(土砂災害の災害廃棄物発生量推計方法や仮置場・最終処分場の確保等、技術の選択ポイント等)を抽出した。