主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第27回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 27
開催地: 和歌山大学
開催日: 2016/09/27 - 2016/09/29
焼却灰の溶融システムのなかでも特に還元型溶融炉による処理は、強還元雰囲気下の効果により、溶融メタルとして有用金属の回収や溶融飛灰としてPb、Zn等重金属の回収が可能である。還元型溶融炉を保有する国内民間企業4社により溶融メタルの品位、金属種類別の分配率、メタルの品質向上等について調査・解析を行った。A社ではFeとCuをベース金属としてAu、Ag、Pt、Pdが数十~数百ppmで含まれたデータが得られ、B社では溶融メタル、溶融スラグ、溶融飛灰の各相への分配率データを調査し、金属種類毎の分配率の違いを確認した。C社は溶融メタルが鉄相と硫化銅相の二相に分離し、鉄相にはAu、Pt類が、硫化銅相にはCu、Ag類が濃縮しやすいことを明らかにした。4社による金属回収実績を集計した上で、焼却残渣から回収できる希少金属価値を算出し、さらに40年間のメタルライフサイクルを考慮した経済波及効果を試算した。