廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第27回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: B7-9P
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B7 食品廃棄物・木質バイオマスの資源化
ソーダ法とライム法による木質バイオマスのアルカリ前処理
*酒井 遥行山田 泰地田中 修三
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抄録
本研究は、木質バイオマスの前処理法として苛性ソーダを用いるソーダ法(Na 法)と消石灰を用いるライム法(Ca 法)を取り上げ、その前処理の効果と最適な処理条件を調べることを目的としている。実験方法は、バイオマス(ナラ、 杉)にアルカリ溶液(0.1%、0.5%)を添加してオートクレーブ処理(122℃、1h)を行った後、処理済みバイオマスに 対してリグニン定量および糖化を行い、HPLC で糖分析を行った。0.1%処理系では、全体的に糖の生成量が少なく、糖化に及ぼす前処理の効果は低いが、ナラは Na 法と Ca 法のいずれ も未処理 BM の 1.4 倍の糖が生成された。0.5%処理系では、ナラにおいて糖生成に対する高い前処理効果が見られ、未 処理 BM に対して Na 法で 3.3 倍及び Ca 法で 2.7 倍の糖が生成された。一方、杉は 0.1%処理系、0.5%処理系ともに糖 生成に対する前処理の効果は見られなかった。リグニン含有量の変化については、ナラは Na 法で 15%の減少、Ca 法で9%の減少が確認された。しかし、杉においては、Na 法と Ca 法のいずれもリグニン含有量に変化は見られなかった。
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© 2016 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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