抄録
廃棄物焼却施設において、発電の高効率化のためボイラ内の蒸気を高温化することで、過熱器管の腐食減肉リスクが高まる。ボイラ過熱器管表面には灰が付着すると共に環境中の多様なガス成分が複雑に作用することで腐食が進行するため、腐食メカニズムは明確化されていない。また腐食要因の中では、管表面に付着した灰が腐食に大きく影響することが知られており、腐食抑制手法を検討する上で付着灰性状が腐食に及ぼす影響を把握することは非常に重要である。本研究では、付着灰がボイラ過熱器管の腐食に与える影響を把握することを目的とし、実機施設にて採取したボイラ過熱器管付着灰の性状を調査すると共に、ラボスケール試験にて腐食影響を評価した。また付着灰の形成メカニズムを考察し、反応機構の検討を行なった。