窯業系サイディング廃材の熱処理再生に関する検討

抄録

窯業系サイディング（以下、サイディング）廃材にはセメントの他、様々な有機物（以下、有機系混合物）が含まれるため再生は困難とされてきたが、熱処理によりサイディング廃材に含有される有機系混合物を除去し、さらにCa(OH)₂やCaCO₃をCaOにできれば、サイディングの原料として再利用できる可能性がある。そこで本研究では、サイディング廃材の熱分解挙動を検証し、さらに熱処理による再生可能性について検討した。その結果、サイディング廃材中のCa(OH)₂は500℃で、CaCO₃は700℃以上で熱処理することでCaOに変化し、また有機系混合物は空気雰囲気下、530℃以上で熱処理することで除去できた。さらに700℃で熱処理したサイディング廃材は、水と混練することにより硬化することを確認した。以上のことから、サイディング廃材を熱処理することによりサイディングの原料として再利用できる可能性が示唆された。