主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第28回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 28
開催地: 東京工業大学大岡山キャンパス
開催日: 2017/09/06 - 2017/09/08
食肉処理場から排出されるウシルーメン液(第一胃液)を利用した植物系バイオマスの前処理によって、効率的にバイオガスを生産できる。しかし、ルーメン液を利活用する場合、ルーメン微生物はルーメン外環境に置かれることになる。本研究は、ルーメン液の保存が植物系バイオマスのバイオガス化におよぼす影響を解析した。ルーメン液を4℃、20℃、35℃で7日間保存し、その後古紙を37℃48時間前処理した。保存過程において、4℃では多糖分解酵素活性が維持されたが、20℃または35℃では大きく低下した。前処理過程では、4℃保存ルーメン液では速やかに古紙を可溶化した。一方、20℃または35℃保存ルーメン液では時間をかけて多糖分解酵素活性が回復し、古紙を可溶化した。同様に保存したルーメン液でペーパースラッジを前処理し、35℃24日間メタン発酵を行なった。いずれの保存温度においても、保存なしと同等にメタンガスが生産された。