2Rによる製品の長寿命化は持続可能な社会の実現に向けて欠かせない1つの方策である。実使用年数は必ずしも消費者の期待を満たしていないという指摘もあり、長期使用に向けた製品設計の必要性が指摘されている。実使用年数と期待使用年数の乖離は使用年数延長のポテンシャルを示すと考えられるため、その実態や要因を把握することは重要である。本研究では、耐久消費財の期待使用年数の定義の整理、異なる定義による期待使用年数の実態と実使用年数との乖離の調査を行った。文献レビューに基づき、耐久消費財の期待使用年数を消費者が意図する使用年数、理想の使用年数、予想される使用年数の3つの定義に整理した。また、数製品を例に期待使用年数の実態を調査し、理想の使用年数は意図する使用年数や予想使用年数よりも長い傾向があること、期待使用年数は実使用年数より長く現在の耐久消費財の実使用年数は消費者の期待を満たしていないことを示した。