抄録
放射性物質を含む廃棄物の焼却処理に伴い、焼却炉内の放射性物質の蓄積が懸念されており、炉内耐火物への放射性Csの蓄積が確認されている。現在、除染に伴って発生した除染廃棄物について、仮設焼却施設での処理が進んでおり、処理を終えた仮設焼却施設は解体工事を行うことになるが、解体工事を計画する上で必要となる作業員や周辺環境への放射線管理、汚染された解体廃棄物の処分計画など、焼却施設における放射性物質の汚染状況に関するデータが少なく、計画立案上の知見が乏しいことが問題として挙げられる。 そこで本研究では、仮設焼却施設の解体工事計画立案時に参考となる知見の取得を目的に、放射能汚染廃棄物焼却処理後の実際の仮設焼却施設解体時の汚染状況を調査し、放射性Csの炉内汚染状況や除染後の低減効果、除去した付着灰の特性などの把握を行った。