主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 29
開催地: 名古屋大学東山キャンパス
開催日: 2018/09/12 - 2018/09/14
本報告ではタイにおける中国廃棄物原料輸入規制の影響を貿易統計にて整理し、貿易特化係数が変動している廃プラやアルミくずは、タイ国内のリサイクル産業の内需とは別の国際的な要因に影響を受けており、特に2018年に入り中国への輸出が困難になった廃プラの輸入量の変化を確認した。相次ぐ密輸や不適正輸入に対して、所管官庁では港湾におけるコンテナの開封検査やリサイクル工場の査察が実施している。今後の対策として、短期的にはX線検査場における全量検査、長期的にはE-wasteや廃プラの全面輸入禁止などが検討されている。しかし、全面輸入禁止は、現在、適正に廃プラやE-wasteの輸入許可を取得しリサイクルしている企業の事業機会を奪うこととなる。適正な国際資源循環を制御するだけなく、これと並行し適正なタイ国内のリサイクル市場の創出する政策が合わせて必要と考えられる。