抄録
現在政府は再生可能エネルギーの導入・普及を促進し、全国で太陽光パネルの設置が進んでいる。特に固定価格買取制度が制定された2012年以降は、家庭用に加え遊休地等を利用したメガソーラーの設置も進んでいる。これらの太陽光パネルは、今後、耐用年数の経過に伴い大量に廃棄されることとなり、2027年には全国で約117万枚の排出が予測されいる。
このような中、廃太陽光パネルの適正処理・リサイクルシステムの構築が急務となっている。太陽光パネルのリサイクルシステムのポイントは、一体となっているパネルの構成部材(セル、ガラス、バックシート、アルミ枠)を部材別に分離し各用途のリサイクルを行うことで、特にパネル全体の約8割の重量を占めるガラスのリサイクルを確実に行うことである。
本研究は、効率的な部材分離方法及び各部材のリサイクル用途・販路に重点を置き、廃太陽光パネルリサイクルシステムの検討を行ったものである。