抄録
廃棄物焼却、リサイクル加熱炉、鉄鉱石焼結などの熱的プロセスから排出される排ガスには性状の異なる種々の物質が含まれ、安全な処理のため、吸着法が適用される場合が多い。一般の産業分野での排ガスを処理する場合、粒状活性炭吸着塔や繊維状活性炭フィルターなどの設備を用いて処理する。それらの操作温度は常温から数十℃の範囲である。しかし、焼却排ガスの処理プロセスにおいては排ガス温度が150~200℃であり、高温条件での吸着挙動の考察が必要である。本研究では、排ガスの処理において揮発性有機化合物のベンゼンおよび水銀を対象とし、上記の高温雰囲気について、各種吸着剤の性能を模擬実験で評価し、吸着剤の除去特性を把握した。