抄録
本研究では、廃棄物最終処分場浸出水中に生息する土着微生物を活用した1,4-ジオキサン (DX) 汚染の浄化技術の確立に向け、DX分解菌の集積について検討した。DX分解がエーテル結合を開裂する特殊な分解経路で行われることに着目して選定した6種類の炭素源を用いて集積を試みた結果、DXおよびテトラヒドロフラン (THF) を用いた集積系においてDX分解能が確認された。また、DXおよびTHFを用いた集積による微生物叢の変化を調査した結果、集積後の微生物叢は炭素源により異なっており、THF集積系ではDX集積系よりもDX分解関与遺伝子として知られるthm/dxm遺伝子の集積度の高いことが確認された。本研究の結果から、DXだけでなくTHFによっても浸出水中の土着DX分解菌を集積可能であるが、優占化するDX分解菌は炭素源によって異なることが明らかになった。