抄録
バイオレメディエーションは揮発性有機塩素化合物(VOC)による汚染土壌に用いられ、低コスト・低環境負荷技術として普及が期待されている。当社は、バイオレメディエーションに用いる浄化促進剤として、大豆たんぱくの製造時に発生する大豆ホエーを利用したバイオレメディエーション技術を開発した。大豆ホエーには糖質やたんぱく質、ミネラル等が豊富に含まれており、また、従来の薬剤と比較して低コストである。本研究はVOC汚染地下水を対象とし、現場における大豆ホエーのバイオレメディエーション効果の把握を目的として実施した。大豆ホエー溶液をVOC汚染された帯水層へ注入した結果、地下水中のVOC濃度の減少と土壌汚染対策法に係る基準値への適合、VOCを分解する細菌群の増加、TOCの増加及びORPの減少が確認された。以上の結果より、現場において、大豆ホエーが環境基準を満たす水準でVOCの浄化を促進することが確認された。