抄録
福島県内の除染活動に伴う土壌・廃棄物は非常に多く発生しており、これらに対して中間貯蔵施設において一層の減容化処理が求められ、焼成処理や溶融処理が検討されてきた。このような高度減容化施設では濃縮したセシウム(Cs)塩が排出され、溶出性の高いCs塩に対する対応が最終的に必要となる。放射性Csを対象とした場合、セメント固化では溶出率は高く、不溶化が不十分であることから、新たな固化処理としてジオポリマーによる固化処理法が研究されている。本研究では、中間貯蔵施設における除染廃棄物の減容化事業により発生する高濃度にCsを含有した飛灰に対してジオポリマー固化処理を行い、Csをより溶出性の低い安定した状態で固定化処理することを目的とした。結果として、ジオポリマー固化処理によってCs溶出率は10%以下に抑えられ、高濃度にCsを含有した飛灰を溶出性の低い状態で安定的に処理することが可能であると考えられた。