産業廃棄物安定型最終処分場等での埋め立ては、ダンプトラックから投下された後、層厚10cm程度になるように重機で締固められながら行われるため、10cm程度以上のプラスチック等は主に水平方向に堆積する。このため、地盤中での雨水の流下はプラスチック等により阻害され、水は複雑に屈曲したプラスチック等の凹部に貯留される(既往研究で確認)。また、こうした堆積形態から、水の流れに異方性があることも推測される。本研究では、水の流れの異方性に着目して、土槽(1m3)を用いた浸透実験を行って、水の流れの異方性の確認や水質に与える影響を調べ、廃棄物地盤中の水の流れに顕著な異方性があることを確認した。こうした地盤中では、水は水平方向よりも鉛直方向の方が流れにくいことが示唆され、処分場の設計、維持管理にあたっても埋立廃棄物のサイズを小さくする等により鉛直方向に水を流れやすくする工夫が必要であると考えられる。