主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第30回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 30
開催地: 東北大学川内キャンパス
開催日: 2019/09/19 - 2019/09/21
昨今、最終処分場の残余容量不足を背景に、環境負荷が小さい焼却残渣改質技術の開発が渇望されている。通気による焼却灰の炭酸化処理は、Pbの溶出抑制や塩類溶出促進による焼却灰の長期安定化への寄与が期待されるが、有害物質として規制される六価クロムの溶出促進が報告されており、注意が必要である。本研究では、一般に酸化還元電位の増加に伴い三価クロムから六価クロムに酸化されることから、酸化還元電位に注目し、炭酸化前後における焼却主灰の特性およびその溶出傾向について調査した。全国の一般廃棄物焼却施設から採取した6種の焼却主灰について、円筒型のカラムを用いて、CO2通気による炭酸化試験を行った結果、炭酸化の進行に応じて溶出液の酸化還元電位は上昇していた。一方で、炭酸化による酸化還元電位の上昇と六価クロムの溶出促進に相関関係が得られたのは1種のみにとどまり、灰種による溶出傾向の違いが確認された。