遮断型処分場は半永久的に有害廃棄物に含まれる有害物を適切に貯留し、外部への放出を防ぐことが求められる。長期的な観点からは、構造物の劣化や災害のリスク等も考えられるが、そのような事象においても有害物の放出は避けなければならない。遮断型処分場への搬入物について調査した先行研究では、搬入物のなかでも溶融炉で使用される耐火レンガが多いことがわかった。六価クロムが判定基準を超えるからである。そこで、本研究では、六価クロムが溶出する耐火レンガを対象に風化加速試験を実施し、遮断型処分場内の環境条件がクロムの溶出挙動に与える影響を検討した。その結果、湿潤条件では、六価クロムの溶出が大きく低下することを確認した。