廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
セッションID: B1-5-O
会議情報

B1 廃棄物管理・計画(1)
政策的デポジット制度とRVM系店頭回収〜歴史的制度論の視座からみた日中の事例
*高橋 若菜沼田 大輔吉田 綾伊藤 俊介東條 なお子張 喬
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本稿は、日中のRVMを用いたペットボトル等の店頭回収の事例を、歴史的制度論の視座から俯瞰し、その位置付けや今後を考察することを目的としている。政策的デポジット制度は、1970年代から今日に至るまで、欧米を中心に国もしくは州単位で導入が徐々に広がってきている。環境益の表出が強い欧州委員会や欧州議会、制度的に組み込まれたNGOが影響力を行使していること、北欧諸国等の経験への社会的学習も進んでいることが背景にある。日本でも90年代に議論があったが中央集権が強く生産者も強い中で、制度導入は退けられた。その後も制度導入の政治プロセスはほぼない。そうした中、近年、日中両国でRVMによる店頭回収が始まった。日本では小売店への高負担や行政回収との共存の検討、中国ではRVMメーカーへの高負担や補助金依存、スカベンジャーとの競合が課題である。

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
前の記事 次の記事
feedback
Top