主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 33
開催地: 宮崎大学
開催日: 2022/09/20 - 2022/09/22
製鉄業で副産物として生成する高炉スラグは産業廃棄物に定められているが、その約8割はセメント・コンクリートに利用されている。しかし、今後、公共事業縮小化などのため、その需要は減少していくと考えられている。本研究では、高炉スラグから選択的にカルシウムを抽出する条件を探索し、その後に残る残渣を吸着材として活用することを検討した。 鉄鋼スラグの主成分はカルシウムであるが、そのほかにもシリコンやアルミニウムを多く含んでいる。酸性溶液のpHなどの条件を適切に設定することにより、カルシウムのみを選択的に抽出することに成功した。抽出残渣には、マイクロ孔が形成され高い比表面積(74.5m2/g)を有していることが分かった。カルシウム抽出前のスラグは、メチレンブルーに対してほとんど吸着能を示さなかったが、抽出残渣は高い吸着能を有していることが分かった。