主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第33回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 33
開催地: 宮崎大学
開催日: 2022/09/20 - 2022/09/22
管理型廃棄物海面処分場は、保有水がアルカリ化した場合、一般海域と比較して二酸化炭素CO2を多く取り込む施設となりえる。本研究では、アルカリ化させた模擬保有水を対象に、pHに応じて大気から溶解して固定化されるCO2量について、水深の異なるふたつの実験にて評価した。実験の結果、水面からの大気からのCO2の溶解は特に水面下1.2m程度までの範囲が特に影響が顕著であった。またpHによりCO2溶解による中和速度が異なり、pHが大きいほどOH-濃度の減少速度、すなわちCO2の消費速度が速く、つまり水表面からのCO2の溶解フラックスが大きいことが確認できた。例えば、保有水表層pHが11.0の海面処分場では、2.17g-CO2/m2/dayが固定化されていることとなる。現地は本実験と比較して水深がより深く、さらに深層部まで中和効果が拡散するため、CO2の溶解フラックスがより大きくなる可能性を示唆した。