主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第34回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 34
開催地: 大阪工業大学
開催日: 2023/09/11 - 2023/09/13
下水汚泥は、安定したバイオマス資源であるが、そのエネルギー利用率は低く未利用汚泥のエネルギー化率の拡大が望まれている。下水汚泥のエネルギー化技術のうち、熱分解ガス化は、生成した燃料ガスの発電利用、水素や化学品原料への転換が可能であるが、燃料ガスに含有するタール成分が普及の妨げとなっている。
そこで著者らは、タールの改質触媒機能を有するオリビンを流動媒体とした3塔式循環流動層による下水汚泥の熱分解ガス化装置を提案した。本報では、流動媒体の種類が下水汚泥のガス化挙動に及ぼす影響を評価するため、2段型気泡流動層試験装置による乾燥汚泥のガス化試験を実施した結果を報告する。
試験では、流動媒体としてオリビンを使用した場合は、珪砂と比較してタール濃度を94%低減、且つ、燃料ガス回収量を約1.8倍に増加することが確認された。よって、本方法は下水汚泥からのエネルギー回収に有効な手段であると考えられる。