広大な面積、膨大な埋立容量を有しており、廃棄物が不均質である埋立地では、モニタリングにおいて代表点を適切に選定することは容易ではない。埋立地内部を面的にさらに三次元的に把握することが望まれる。光ファイバセンサは温度等の物理量が計測可能であり、埋立地と周辺環境との境界における温度分布の把握にも利用できると考えられる。本研究では、光ファイバセンサによる埋立地と自然環境との境界面における温度分布の把握の可能性を明らかにすることを目的に、実際の埋立地のキャッピング内において温度分布計測を行った。その結果、光ファイバセンサに関して以下の知見を得た。1.キャッピング層内に最大1.7℃の温度差があること。2. キャッピング層の地表から深さ45 cmの地点の温度変化は、気温に対しておよそ11時間45分~12時間40分の時間遅れを示すこと。3. 本実験で使用した埋立地の廃棄物は未だ熱を有している可能性があること。