廃棄物最終処分場のガス抜き管の調査で管の断面の変形が確認されている。管に作用する水平土圧を再現し、ガス抜き管の変形について検討した。ガス抜き管に作用するみかけ密度が異なる埋立廃棄物の水平土圧と土圧係数が異なる埋立廃棄物の水平土圧より、発生する偏土圧の大きさを推定した結果、偏土圧は1～41kPa発生すると推定された。水平方向の偏土圧によって生じる変位と応力を数値解析によって計算した。その結果、偏土圧の大きさや偏土圧発生幅が増加すると管の側方変位も比例的に増加することがわかったが、今回の計算条件では処分場の現場で発生が確認されている管の断面の変形には至らなかった。管の断面が変形するときは偏土圧が発生しているだけではなく、内部温度が上昇して変形が促進される場合や、砕石の接触面で集中的に大きな荷重が作用した場合など、別のいくつかの要因が重なって変形するのではないかと考えられた。
