主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第35回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 35
開催地: つくば国際会議場
開催日: 2024/09/09 - 2024/09/11
日本における古紙回収には規定の認知度や実践度に向上の余地があり、実行を促す努力が必要である。本研究は、九州大学伊都キャンパスの農学部と工学部を対象に、ナッジを用いて古紙回収行動を促進することを目的としている。調査対象は各学部の学生および職員であり、12月7日から1月末まで、工学部には環境リスクに関する警告ポスター、農学部には情報提供ポスターを設置し、学生食堂に三角形のポップアップ広告も設置した。結果として、ポスター設置後も古紙回収量に大きな変化は見られず、可燃ごみに混入した古紙の割合は工学部で4.7%、農学部で4.3%増加した。アンケートでは、工学部の57.2%、農学部の40%が古紙回収の重要性や分別ルールを理解したが、行動を変えたのはわずかだった。行動経済学のトランスセオレティカルモデルに基づき、行動変容には認知度向上だけでなく、具体的な行動を促す支援が必要である。