抄録
本研究では、特定のブランドに対するコミットメントという消費者の態度状態と小売店頭でのプロモーション時の購買行動、ロイヤルティの関係を明らかにした。具体的な研究のアプローチとして、Dick and Basu(1994)が提示したロイヤルティとコミットメントの構造化の概念と、青木(2004)が提示したコミットメントの水準によるプロモーションへの反応の違いの概念の2点を分析した。実証分析の結果から、「真のロイヤルティ」、「潜在的ロイヤルティ」、「見せかけのロイヤルティ」という、ロイヤルティとコミットメントの構造化が可能であればこそ抽出できる消費者セグメントを導くことができた。また特定のブランドに対するコミットメントが強ければ、そのブランドが価格の値引きを行わなくても購買する傾向にあることが確認された。