流通研究
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流通セッション
最寄品ブランドの小売店頭での販売展開方法とロングセラー化の関係
寺本 高
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2009 年 12 巻 2 号 p. 2_59-2_73

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抄録

本研究は、最寄品ブランドの小売店頭での販売展開方法とロングセラー化の関係について定量的に捉え、最寄品ブランドのロングセラー化に向けた店頭展開要件を抽出することを目的としている。具体的には2項ロジスティック回帰分析を適用し、ライフサイクルの各段階において残存に影響する項目を抽出した。その結果、市場導入期には、通常価格での売上効果が確保されていることが重要である点、特売による購買刺激は与えながらも、値引き水準を抑えていくことが重要である点、購買者の裾野を広げる(世帯浸透率の上昇)ことよりも、ロイヤルティ形成(世帯内購買数量シェアの上昇)が重要であり、購買者の裾野を広げる活動は2年目以降に重要になってくる点を新たな知見として把握することができた。特に、新商品導入段階での世帯浸透率と世帯内購買数量シェアの関係は、最寄品メーカーが自社ブランドをロングセラーとして育成していくためのブランド・コミュニケーションのあり方に対し、有効な示唆になることが期待できる。

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© 2009 日本商業学会
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