流通研究
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レター論文
消費者行動における触覚経験の影響
~ハプティック知覚に関する研究の展開と課題~
朴 宰佑石井 裕明外川 拓
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2016 年 19 巻 1 号 p. 1-13

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抄録

製品の評価や選択などにおいて、触覚情報は大きな影響を及ぼしている。マーケティングおよび消費者行動の領域においては、消費者が自らの手で自由に対象物に触れることで得られた知覚、すなわちハプティック知覚について様々な研究が取り組まれている。ところが、各研究は個別的な関心に基づいて行われており、全体を体系的にとらえた研究は行われていない。そこで本稿では、ハプティック知覚に注目した研究を対象にレビューを行った。その結果、接触の基本的な効果から個別の触覚属性の効果へと研究対象が変化した点、それらの効果の有無からメカニズムの解明へと研究関心が変化している点など、研究展開において複数の変化が生じていることが明らかになった。一方、調整変数に関する議論の精緻化や他感覚との相互作用など、ハプティック知覚に関する研究を進めていくうえで、今後取り組まなければならない課題についても議論を行った。

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© 2016 日本商業学会
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